患歯は右上中切歯、デンタルレントゲン写真上で根尖部に約２ｃｍの透過像（根尖病巣）があり、根尖は未完成で約３ミリ開いてる。

患者さんは小学3年生（８歳）、2年程前、患歯に外傷を受けたという。

今回、根尖相当部に腫脹と疼痛を訴えて来院したので、抗生剤、鎮痛剤の投与と共に、舌面より開拡し、歯冠部と根管内部の消毒を行い、ビタペックスを根管消毒剤として入れて、松風のテンポラリーセメントで仮封した。

脹れ、痛みとも数日で消えたので、根管拡大をして根充を考えたのだが、何せ根未完成なので、緊密な根管充填はとても出来ない。

水酸化カルシューム剤を入れておくと根尖部が完成してくることがあるようなので、ビタペックスかカルシペックスで仮に根管充填をして、しばらく様子を見ようと思っている。

根尖部が閉じてくれればよいが、閉じないときは根尖が開いたまま何とか緊密な根充を行う必要がある。かなりの困難が予想される。

非常に太い根管なので根管の形を立体的に把握するためにシリコン印象材を使って根管の印象をしてみるというようなことも考えている。根充の参考になるだろうか。根尖部をしっかり封鎖できるようなガッタパーチャポイントを用意しなければならない。

オブチュレーションシステムではこのような根尖が開いた症例はどうだろう。いまオブチュレーションシステムの勉強中だ。
　

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